夕物語
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Side-B
Side−A ORIHIME
画策されてるんじゃないかしら、と思う。

見上げた空は青空が7、白い雲が2、雨雲が1というところだろうか。

昔から「他人の不幸は密の味」という言葉もある。

そりゃあ、ね。

「どんなに広い河が僕たちの前に立ちはだかっても、僕たちの邪魔はできない」

なんて赤の他人が言ってたら、

他人の不幸を思いっきり甘い蜜にもしたくなるかもしれない。

ううん、誰だってそうしたくなるに決まってる。

中にはクサすぎて笑っちゃう人もいるだろうけど。

はぁ。

空を見上げてみる。

たった5分前に見たばっかりだけど。

そもそも朝から空ばっかり見てため息ついてるけど。

朝はあんなに曇っていたのに、いつの間にか晴れていた。

西の空に雲が多めなのは気になるところだけど。

今年こそ会えるかもしれない。

ああっ!大変!

朝から空ばかり見上げてて、家の中をきれいにするのをすっかり忘れていた。

急いで、掃除しなきゃ。

まずは窓を開け放つ。

この時期特有の生ぬるい風が部屋に入り込んできた。

彼のいるはずの方に向かって私は叫んだ。

「牽牛〜!今年こそ会いに来なさ〜い!」


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