ョートショート

天地創造

 一日目、神様は光と闇を分けた。
 二日目、神様は太陽や月や星々を創った。
 三日目、神様は水と大地を分けた。
 四日目、神様は草木を創った。
 五日目、神様は魚、鳥、獣などに命を吹き込んだ。
 六日目、神様は悪戦苦闘していた。


 彼は神様と同じ姿形をしたヒトというものを創ろうとしていた。しかし、どうもうまくいかない。
 彼は救いようのないほど不器用だったのである。 したがって、友人のヨロヘイにもよくばかにされていた。
 ああでもない、こうでもないと悩みながら、どうにか人を完成させた。多少不格好になったが、それは しょうがない。これが精一杯の努力であったし、少なくとも神様にとっては満足のいく出来であった。 彼はさっそく自分の作り上げた世界にヒトを放した。
 世界が動き出してしばらくすると、神様はヨロヘイを自分のもとへ呼び寄せた。 そして自分の作り上げた世界を自慢した。
 ヨロヘイが興味を持ったのはやはりヒトであった。彼はどうしてもヒトが 見てみたいと言った。神様と同じ姿をしていて、しかも知能まで持っているというのだから当然の ことであろう。
 神様はもったいぶりつつ、自分の自信作を見せることにした。
 ヨロヘイは目を見開いた。じっとヒトを見つめている。これぞ神様の期待していた展開だった。
――これできっとヨロヘイも俺のことを見直したぞ。ほら、あいつの目に感動の涙が浮かんでいる。  体も小刻みに震えていて、腹をおさえて……腹を押さえて?
 ヨロヘイは笑うのをこらえつつ、ぽんぽんと神様の肩を叩いた。
「こりゃなんだ? 頭が二つないじゃないか。腕も八本じゃない。指は五本もある。 何と言っても目が二つなのは少なすぎるぞ」



 世界崩壊ときたら天地創造でしょう。  かなり昔に書いたので改稿するのが大変でした。個人的にはまだまだ改稿したりないくらい (でも、どのように直したらいいかがわからない・涙)。 逆転の発想を狙ってみたものの、 いかがなもんだろう? そして神様、アンタ一体どういう姿をしているのです……?

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